【給与担当者必見】始業時間や法定休日の曜日の定めをしない場合の勤怠計算方法

労働基準法にまとめる時間外計算のポイント

日本の労働基準法における時間外割増に関する主な規定を以下にまとめます。

1.時間外労働
労働基準法において、時間外労働とは、労働時間規程に定められた通常労働時間を超えて労働することを指します。

2.時間外割増率
労働基準法では、時間外労働に対して賃金の増額を行うことが定められています。時間外労働の場合、通常労働時間に対する賃金の割増率が適用されます。

3.割増率の基準
時間外労働に対する割増率は、以下の通りです。
■法定割増率(法定労働時間を超えた時間外労働に適用)
■通常は1時間あたり労働賃金の125%(1.25倍)
※ただし、労働時間が60時間を超える場合は1時間あたり労働賃金の150%(1.5倍)
■深夜割増率(深夜時間帯22:00~翌日5:00に労働した場合に適用)
■通常労働時間に関係なく、1時間あたり労働賃金の25%(0.25倍)が追加されます。

 

就業規則に、始業時間や法定休日の定めがない場合

 

 

 

 

 

 

労働基準法は絶対に守るけれど、業務スケジュールは立てにくい、という企業も少なくありません。
つまり、始業時間終了時間を定めない、休日の曜日を定めない場合です。

例えば、就業規則を次のように定めてある場合です。

■ 一日8時間を就業時間とする。
■ 法定休日を、週に1日も設ける。※曜日は定めない。
■ 法定外休日を、週に1日設ける。※曜日は定めない。

この場合、あらかじめ勤務予定表で翌月以降の休日を設定している場合は、もしもその日に出勤すれば休日出勤に当たるという風に
カウントすることができます。

しかし、このように曜日の定めをしない企業の多くは、事前に業務スケジュールが立てにくいからではないでしょうか。
結果として、法定休日/法定外休日は勤怠を月末に締めてから、「こうだったことにしよう」となります。
勤怠の結果から遡って、「この日は法定休日」「この日は法定外休日」という風に決めざるをえないのです。
週40時間の所定労働時間を満たしているかどうかも関係しますので、非常にややこしい勤怠計算をしなければなりません。

 

では、次の勤怠計算表を見ながら、勤怠がどのようになっていくか見てみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1.時間外の計算

労働基準法に準じて、1日の就業時間を8時間と定め、それを超える分は時間外としてカウントします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.週40時間を超えた場合の計算

労働基準法に準じて、週に40時間を超えた分は、割増の対象時間としてカウントします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3.一日8時間を超えた割増と週40時間を超えた割増」の計算

二週目の6月4日の週を見てください。
7日は、深夜を含めた時間外が発生しています。
週40時間のカウントの仕方は、日々の時間外を含めずにカウントしますので、所定内勤務(青)の部分が40時間(2400時間)を
越えているかどうかを計算します。
この週の場合は、9日の18時時点で週40時間に到達したので、9日の時間外(18時から21時)は週40時間を超えた割増となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.曜日の定めのない法定外休日の計算

6月4日の土曜日に出勤しました。
就業規則で、法定外休日を1日設けると定めている場合、この6月4日の週は結果として
6月4日が法定休日、6月10日が法定外休日としてカウントします。
よって、10日は法定外休日出勤として1.25倍の割増の対象となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.曜日の定めのない法定休日の計算

では、このような出勤になった場合はどうでしょうか。
この勤怠表では、週のすべての日を出勤した場合には、日曜日を法定休日、土曜日を法定外休日とするように設定してあります。
このように、週7日出勤した場合は、あらかじめ、休日をどの曜日にするかは決めておかなければなりません。
そうしないと、一番コストが少ない労働時間が少ない日を休日として、払う時間外割増を少なくしようという安易な考えをしてしまいます。
それでは、社員の納得は得られないでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.ポイントは、結果管理ではなく進捗管理をすること

冒頭で述べた通り、「勤怠を締めてみたらこうだった」という結果管理になりがちです。

結果管理の悪い点

・社員の過重労働を防止でできない
・人件費コストの管理ができない
・払えばどんな働き方をさせても良い、という企業に見えてしまう。

やはり一番のポイントは、社員の過重労働を月の途中で把握できないことです。
払えばいいんでしょう的な考え方では、新規で社員を雇うこともできません。

結果管理から進捗管理にする方法

結果管理から進捗管理にする方法は、週単位できちんとデータをとることです。
勤怠の入力は社員が行うことで、会社だけでなく、本人も勤務状況を把握します。
まずは、「翌月に勤怠を締めてから」ではなく、「今週はこれだけ」「このままだとこうなる」という
管理からスタートしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.勤怠管理はエクセルでできます。

このエクセルは、ある企業から依頼を受けて作成したものです。
多くの勤怠管理システムがありますが、導入にはコストがかかります。
また休日や始業時間の定めがない働き方に対応したシステムはなかなかありません。
勤怠管理は、このようにExcelで計算することができます。

このExcelが、あなたのお役に立つようでしたら、リンクからダウンロードして使ってください。
あなたの勤怠計算が少しでも楽になりますように。

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ぜひ、人事労務についてのお悩みがあれば、当社までご連絡ください。

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投稿者:

kawamata

ヒューマンリソーステクノロジィ共同代表です。HR領域専門の経営コンサルタントをしています。

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