【採用担当者必見】応募者がない?! 応募者の心理段階を管理して課題を解決

募集しているのに応募者が来ない、辞退されてしまう

採用担当者として一番の悩みは? 「まったく応募者がない。」、「せっかく内定を出したのに辞退されてしまう。」です。高い募集費を使っても採用が採れないという悩みでしょう。私も人事で採用担当しているときに同じ悩みをもって取り組んでいました。それをどうやって乗り越えて、年間20~30名の新卒や50名の中途採用をしてきたのか。ここでは、その取り組みを徹底解説します。

応募者の心理状態を管理する

「募集をする」というのは、企業側の行動です。採用活動を成功させるためには、企業側の一方的な考えや行動ではいけません。応募者の心理を理解し、それに沿った対応をとることが必要です。
次の図は、応募者の心理の推移と課題を表したものです。順に徹底解説していきます。

 

 

募集要項をスルーする心理段階への対応

1.募集媒体選定の課題

募集媒体には、リクナビやマイナビ、バイトルNEXTなど多数あります。それぞれの特徴を理解した上で利用します。特徴とは次の3つを言います。

① 媒体が強みとする職種
② 媒体に登録している求職者の平均年収
③ あなたが求めている求職者が募集エリアにどれくらいいるか
④ 直近でその媒体のテレビCM等が打たれるか

特に重要なのは②求職者の平均年収です。求職者の平均年収が500万円の媒体に、年収400万円の求人を出すことは非常に厳しい戦いになります。特定の資格保有者を採用したい場合などは、募集エリアにどれくらいの求職者が活動しているか事前に把握します。これらの内容は、媒体の営業担当者に問い合わせれば教えてくれます。単に媒体の知名度だけではなく、御社の求人に合った媒体を選定することがスタートです。

2.検索キーワードの課題

媒体を利用する求職者は、まず職種やエリア、年収などで検索をします。例えば、職種:営業職、エリア:関西>大阪市、神戸市、年収:300万円~400万円などです。まず、媒体を選ぶ段階で、御社の求人に合ったキーワードで検索できるのか確認をしましょう。さらに、求人広告を掲載した後で、どのように検索すれば御社の求人が出てくるのか、必ず確認します。

3.募集要領の課題

多数の競合募集の中から募集要領が求職者の目に触れました。一つひとつ丁寧に読むことはしません。パッと目に触れたキーワードが、もっと読んでみようと思われるものにします。言葉が派手とか奇を衒うことではありません。あなたの求人がチームワークを重視する仕事だったとします。求める応募者には、職場の人間関係や雰囲気を前面に出して、職場環境を重視している求職者に訴求します。営業職の求人の場合は、具体的な営業活動の中身を伝えるか、インセンティブなどの報酬を重視するか、求める人材に応じて変化させます。仕事のやりがいを重視する求職者には前者、仕事の成果を重視する求職者には後者を訴求します。

4.掲載日時の課題

退職補充の場合は、掲載時期を考慮する余裕はないでしょう。しかし、限られた契約期間、例えば2週間という期間ならば、できるだけ連休の前など、求職者が活動する日に合わせて新着で出したいものです。また、お正月やお盆の時期は、求職活動が低下しますので、できれば避けたいところです。求人広告の鮮度は、最初の一週間が勝負です。できれば焦らずにじっくりと掲載時期を検討しましょう。

興味はあるが、応募にはいたらない心理段階への対応

1.募集時期の課題

中途入社の場合、現職なのか離職しているのかによって、応募の反応は異なります。現職者にとって、1月や9月は期の半ばになり、なかなか転職には踏み切れないものです。よって、この時期に応募する人は、離職していて活動中の方が多い傾向があります。現職者も含めて検討したい場合は、入社日は相談に応じるなどの文言を入れておくとよいでしょう。

2.媒体の掲載場所の課題

求人広告を、検索して画面に出してみましょう。あなたの求人の前後にどのような求人が出てきますか?同じキーワードで検索したのですから、前後の企業もほぼ同じ職種と業界、年収でしょう。求職者は、まず最初に出てきた画面に注目します。少し費用は掛かりますが、上位20社に入るようにします。あなたの会社と競合の2社しか出てこない場合、両方に応募される可能性はありますが、募集要領で年収や勤務形態で少し魅力に負けるかなと思う場合は要注意です。この場合は、そのまま放置せずに媒体の営業担当者に相談し、検索キーワードを変えるか、掲載場所を特集などに移動させるなどの対策をします。

3.就業条件の課題

就業条件は、現在の人事制度の中での採用ですから正直に出さなければなりません。私の勤めていた会社では交代制で夜勤がありました。採用の一つのハードルとなっていたと思います。一方で、求職者が交代制勤務を理解していたかどうかは疑問です。少しハードルになるかな、と思う条件があっても、実際に働いている社員の方がいます。良い面をしっかりと把握して前面に押し出します。社員の方の実際の声などを掲載することがポイントです。さらに、給与や休日数などの形式知だけでなく、職場の雰囲気や、どういった方と一緒に働くか、仕事のやりがいといった暗黙知も訴求しましょう。

4.採用ステップの課題

興味はあるけれど応募までの決断まではいかないという求職者が多くいます。入口のハードルを下げてみましょう。会社説明会の開催です。履歴書の持参も無しで、会場も駅に近い場所を借りて開催します。「お気軽に応募してください」という求人広告がありますが、お気軽には応募は難しです。「お気軽に説明会に来てください(履歴書不要)」の方がハードルは下がります。応募者がまったく来なくて困っている場合は、まず応募者の母集団を作りましょう。

応募はあったが辞退される心理段階への対応

1.応募者への対応の課題

応募の後日、辞退がくるのは他社の接触が早かった、すでに他社で内定をもらったケースがほとんどです。採用活動はスピードが重要です。まず、応募へのお礼を兼ねて、翌日中には、面接日を確定させましょう。一週間以内の面接がいいでしょう。また、アポイントを決めてから面接日までの間に、メールか電話で待っている旨と何か質問はないか等を連絡しましょう。応募から内定まで、応募者と採用担当者との接触回数も、採用に至る重要な要素になります。

2.面接への課題

採用担当者は、一次面接である程度の人物評価をしておきたいと思います。二次で上司や、経営幹部の面接が控えていることを考えると、一次でしっかりと見極めたいのは当然です。しかし、だからといって、一次面接であまり筆記試験などでハードルを上げると応募率が下がります。私は、一次面接を0.5次に分けて実施していました。初めの0.5では、会社説明と本人の職歴などを0.25づつ行います。そこでいいなと思った方にのみ、筆記試験などを実施していました。いまは、WEBで試験ができますので積極的に利用します。募集要項には、選考の途中で試験がある旨は明記しておきます。

面接後に辞退される心理段階への対応

1.面接前の課題

面接は、会議室でのことだけではありません。応募者が来社して玄関で迎えるときから始まっています。最初に応対する社員が笑顔で「〇〇さん、お待ちしていました。」と伝えましょう。応募者は、(ああ、こういう人と一緒に仕事をするんだな)と、会社の雰囲気をつかみます。応募者が家に帰ってから、家族から「どうだった?」と聞かれて「いい会社だったよ。」と答えるのは、入口から出口まですべてを含んで言います。

2.面接内容の課題

肝心の面接の内容が良いものを目指すこともちろんです。あまり馴れ馴れしい態度も不信感を持たれます。適度な緊張の中でも、話しやすい雰囲気作りましょう。面接で重要な心構えは、あくまでフィフティーVSフィフティーの立場であることです。応募者にも会社を選ぶ権利があることを忘れません。話す内容は、まず会社側から仕事について説明を行います。私は、「あなたが思っていた内容と同じですか?違うところはありますか?」という質問から始めます。ホームページや募集要項に書いてあることは、応募者は知っていますから、補足するような情報を伝えると良いでしょう。採用面接の具体的な方法は、私のブログ 【採用担当者必見】採用面接で絶対に使えるフレームワーク を御覧ください。

3.面接後の課題

応募者が面接に手ごたえを感じて帰宅します。応募者が、この会社ならいいな、とモチベーションが高まっているうちに、次のステップの連絡をしましょう。一次通過の方には半日以内に次のステップの連絡をします。そこで重要なことは、事前に二次面接に向けて上司や役員の予定を仮押さえしていることです。良い人がいました!と上司に報告し、そこから二次面接の予定を組んでいては、半日以内に連絡することはできません。そうこうしているうちに、他の企業の面接が進み、応募辞退へとつながるのです。

内定を辞退される心理段階への対応

1.内定の出し方の課題

とにかく早く出す!これが一番です。まず電話で伝えましょう。内定を伝えたときの応募者の反応を直に感じます。電話で伝えた後に、メールで内定通知を添付して送付します。雇入れ条件書を添付した通知書です。内定を出したのに辞退するのは大きく2つのケースです。一つは他社の内定が出てそちらに行くことにしたケースです。もう一つは、募集要領や面接で説明した条件と違う条件を提示するケースです。応募者は会社に対して非常に不信感を持ちます。もし、本当に内定に条件を付けたいのであれば、もう一度、面談の形で伝えましょう。

2.内定後の課題

応募者は、他社も同時に活動していますから、あなたが内定を出したからといって安心はできません。実際のところ、私が学生の就職支援をするときは、「まず、なりふり構わず内定をとりなさい。もらった内定を机の上に並べてから、それからゆっくりと自分のやりたいことを考えなさい。」と伝えています。あなたの内定者も同じ状況です。会社見学や、職場の先輩とのお茶会など、内定という繋がりの線を太く育てる努力をしましょう。

3.最終決定ポイントを見落としている課題

あなたにとって“良い人材”は、他社にとっても良い人材です。応募者が机の上に内定通知を並べて最終決定をする姿を思い浮かべましょう。応募者が最終決定する最大のポイントは何でしょうか。採用担当者の対応ですか? 会社の雰囲気ですか? 給与や休日などの働き方ですか? それとも家族の助言でしょうか? このポイントは必ず押さえておくべきです。私は、面接時に「会社選びでこだわる部分を三つ教えてください」と質問します。三つ目の答えに注目します。もし、“職場の雰囲気”と答えたならば、そのまま職場に連れて行って現場を見せてあげましょう。“家族”と答えたら、会社の資料やパンフレットを家に持ち帰ってもらいましょう。

まとめ

採用は企業の一方的な努力だけでは成功しません。応募者の心理の変化を理解し、採用ステップに沿った対策を実施しなければなりません。“内定を出す”ではなく、“当社を選んでもらう”という視点での活動がポイントです。「採用は縁のものだから」とよくいいますが、その“縁”をたぐりよせる努力をしましょう。手をかけた分だけ、きっと良い人材にめぐり合うはずです。

 

 

 

 

*****************************************************************************

私たちは、採用戦略の立案から、採用面接の手法まで一貫して承っています。
ぜひ、採用についてのお悩みがあれば、当社までご連絡ください。

採用に関する問い合わせ

ヒューマンリソーステクノロジィのミッション

ヒューマンリソーステクノロジィ、hrtechno,humanresourcetechnology

 

 

投稿者:

kawamata

ヒューマンリソーステクノロジィ共同代表です。HR領域専門の経営コンサルタントをしています。

すべての投稿を表示